読み込み中...
先行公開中:2026年11月から一部が有料になります(無料プランはそのまま使えます)。詳しく ›
読み込み中...
CRM(Customer Relationship Management)システムの改修に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午後 問4
C社は,住宅やビルなどのアルミサッシを製造,販売する中堅企業である。取引先の設計・施工会社のニーズにきめ細かく対応するために,自社で開発したCRMシステム(以下,CRMシステムという)を使用している。CRMシステムは,データベースとWebアプリケーションプログラム(以下,Webアプリという)から成り,C社のLAN上にあるPCから利用される。このたび,営業担当者が外出先からスマートフォンやノートPCを用いてCRMシステムを利用できるようにするために,データベースは変更せずにWebアプリを改修することになった。
Webアプリの改修方針を次に示す。
必要以上の開発コストを掛けない。
営業担当者が外出先で効率的にCRMシステムを利用できるように,スマートフォンに最適化した画面を追加する。
将来的に,CRMシステム以外の社内システムとも連携できるように拡張性をもたせる。
これらの改修方針を受けて,図1のWebアプリを実装するシステムの構成案を検討した。
図1 Webアプリを実装するシステムの構成案
検討したWebアプリの実装方式を次に示す。
ユーザーインタフェースとデータ処理を分ける。ユーザーインタフェースは,WebサーバにHTML,Cascading Style Sheets(CSS),画像,スクリプトなどを静的なファイルとして配置する。データ処理は,APがDBから取得したデータをJSON形式のデータで返すWeb APIとして実装する。
ユーザーインタフェースとなる静的ファイルは,PCとスマートフォンそれぞれのWebブラウザ用に個別に作成し,データ処理用のWeb APIは共用する。
ユーザーインタフェースの表示速度を向上させるために,①静的ファイルを最適化する。
〔Webアプリの実装方式の検討〕で示した方式の実現可能性を評価するために,プロトタイプを用いて多くのデータを扱う機能について検証した。その結果,スマートフォンの特定の画面において次の問題が発生した。
扱うデータ量が増えるに連れて,レスポンスが著しく低下する。
②スマートフォンのCPU負荷が大きく,頻繁に使用するとバッテリの消耗が激しい。
そこで,これらの問題の原因を調べるために,Webアプリの処理を分析した。レスポンスの悪かった日誌一覧の表示画面を図2に,Web APIからの応答データを図3に示す。
図2 日誌一覧の表示画面
図3 Web APIからの応答データ
スマートフォンのWebブラウザから図2の画面をリクエストしてから描画されるまでの一連の処理について,処理ごとに所要時間を測定した結果を表1に示す。
| No. | 処理概要 | 所要時間 (ミリ秒) |
|---|---|---|
| 1 | Webブラウザが画面に必要となる静的なファイルを全て受信する。 | 300 |
| 2 | WebブラウザがWeb APIにリクエストして,図3の応答データを全て受信する。 | 800 |
| 3 | Webブラウザ内で日誌のデータを日付の降順にソートして,画面に表示する最大件数である4件目までを抽出する。 | 1,200 |
| 4 | 日誌本文が42文字を超える場合,先頭から41文字に文字“…”を結合した42文字の文字列にする。 | 300 |
| 5 | 日誌一覧の表示を実行したユーザーが作成した日誌か否かを判断して,本人が作成した日誌には“編集”ボタンを表示する。 | 200 |
| 6 | データをWebブラウザに描画する。 | 500 |
表1から,図3の応答データのスマートフォンへの転送処理と,Webブラウザ内でその応答データを加工する処理に多くの時間を要していることが判明した。
Webブラウザが画面をリクエストしてから描画されるまでの所要時間の目標値を3秒以内に設定して,それを達成するために,次の三つの方式を検討した。
スマートフォンのユーザーインタフェースをアプリケーションプログラム(以下,スマホアプリという)として開発して,そのスマホアプリ内でWeb APIからの応答データを加工・描画する方式
リクエストのあった応答データのうち,Webブラウザに描画するデータだけを返すWeb APIを開発して,スマートフォンのWebブラウザからそのWeb APIを利用する方式
②で開発したWeb APIを①で開発したスマホアプリから利用する方式
各方式について,応答データを加工・描画するソフトウェア又はサーバと,その実現可能性を評価するために,設けた評価項目について整理した結果を表2に示す。各評価項目の評価点に対する重み付けは均一とし,また,将来的な拡張性については各実装方法を設計するタイミングで検討することにした。
なお,〔実現可能性の評価〕においてプロトタイプを用いて検証した方式を方式Ⓟとする。
| 方式 | ソフトウェア/サーバ | 評価項目 | 評価点 合計 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| データ描画 | データ加工 | レスポンス | 開発コスト | CPU負荷 | ||
| Ⓟ | Webブラウザ | Webブラウザ | × | ◎ | × | 3点 |
| ① | スマホアプリ | スマホアプリ | ○ | △ | △ | 4点 |
| ② | Webブラウザ | AP | ○ | ○ | ○ | 6点 |
| ③ | スマホアプリ | AP | ◎ | × | ○ | 5点 |
凡例 ◎:とても優れている,3点 ○:優れている,2点
△:あまり優れていない,1点 ×:優れていない,0点
表2の結果から,方式②について更に検討を進めることになり,そのレスポンスが実用上問題ないか,表1を基に所要時間を試算した。
表1中のNo.2の所要時間について考える。方式②のWeb APIからの応答データのサイズは,図3のデータのサイズの4分の1になり,サーバ側でのデータ転送には時間を要しないものと仮定すると,No.2の所要時間はaミリ秒となる。
次に,No.3~No.5の処理時間について考える。No.3の処理はDBで,No.4とNo.5の処理はAPで行われる。処理時間は各機器のCPU処理能力だけに依存すると仮定する。各機器のCPU処理能力は,スマートフォンが10,000MIPS相当,DBが40,000MIPS相当,APが20,000MIPS相当の場合,No.3~No.5の処理時間の合計はbミリ秒となる。
以上の試算の結果,方式②で十分なレスポンスが期待できることから,方式②を採用することにした。
方式②で開発したWeb APIの配置について検討した。図1のAP上に配置する案も検討したが,③将来的な拡張性を考慮した結果,図1のAPとは別に,スマートフォンやノートPCから呼び出されるWeb APIのためのAPを,新たに追加する構成にした。
このシステム構成を採用した結果,問題を解消し,さらに将来的な拡張性をもたせることができた。
本文中の下線①に該当するものを解答群の中から全て選び,記号で答えよ。
読み込み中…
本文中の下線②の要因として,最も適切なものを解答群の中から選び,記号で答えよ。
読み込み中…
図3中のαとβの箇所にある“[”及び“]”で囲まれたデータはどのようなデータを表現するものか。データ形式に着目し,“日誌”という単語を用いて,15字以内で答えよ。
0 / 15 字
読み込み中…
表2中の方式②のレスポンスが,方式Ⓟに比べて優れていると評価した理由を二つ挙げ,それぞれ30字以内で答えよ。
0 / 30 字
読み込み中…
本文中の a , b に入れる適切な数値を答えよ。
0 字
読み込み中…
本文中の下線③の拡張性とは何か。40字以内で答えよ。
0 / 40 字
読み込み中…